<   2017年 04月 ( 12 )   > この月の画像一覧

 

トルーマン・カポーティは語る「たとえ人々がどう言おうが、それが本当の自分でない限りどうと言うことはない」

浩子さんの個展に関しては前述したけど、閉館後四人で飲み
に行った。ぼくがよく行く吉祥寺のMANDALA2の隣にある吞
み屋さんで、アテが美味く従業員の感じがとてもいいお店だ
った。こういう時どういう会話をするのかといえば、シリア
スな話からバカっ話まで。そんな風に飛躍するのが楽しいね。
例えば近年情報通は多くなったけれど、そのぶん心を揺さぶ
るような音楽の文章は少なくなってしまったね、とか渋谷の
パルコでロン・ウッドにばったり遭遇しました!もうオーラ
出まくりでした!とか、あるいはミュージシャンの地方公演
は大都市でのそれとはまた違う熱量があるんですよ!といっ
た見解まで、それこそまさに飛びまくり(笑)

SNSをやっていると、ときにイヤな奴が現われたり、自分が
予想出来る範囲外でトラブルとか、思わぬ誤解が生じること
がある。一応告白しておくと、ぼくは一時期かなり叩かれま
くられた。たぶん同業者のねたみ・そねみの変形ヴァージョ
ンかなと思ったけど、そうした疑心暗鬼に陥っていくのは自
分でもすごくイヤ〜な気持だった。本来自由であるはずの心
の領域が侵害されていく無駄な時間に過ぎなかった。

「たとえ人々がどう言おうが、それが本当の自分でない限り
どうということはない」アメリカ戦後文学の精神的な支柱だ
ったトルーマン・カポーティの言葉だ。それは削りに削ら
れた作家の本音であり、偽らざる実感だった。ぼくはこれか
らも愛すべき人々と歩んでいくことにしよう。そこには踏み
しめる大地があり、賑やかな町並みがあり、かけがえのない
暮らしがある。そのことを忘れずに。


e0199046_06241735.jpg





[PR]

by obinborn | 2017-04-29 06:25 | Comments(0)  

クロディーヌ・ロンジェの歌のこと、影絵のこと

昨日吉祥寺に行った際ユニオンに寄ってクロディーヌ・ロン
ジェのファースト・アルバム(A&M 67年)を購入した。フ
ランスに生まれたクロディーヌは少女時代にアメリカへ渡り、
女優として歩み始める。やがてアンディ・ウィリアムズと出
会いシンガーとしての活動を行い、ニューオーリンズのクラ
ブで歌っていた彼女にハーブ・アルバートが惚れ込み、晴れ
てA&Mと契約する。その記念すべきデビュー盤が本作だ。

クロディーヌはやがてアンディと結婚。しかし幸せな日々は
続かなかった。そして71年悲劇的な事件が起きる。コロラド
州アスペンで暮らしていた彼女は、当時の恋人を撃ち殺して
しまったのだ。彼女はあくまで銃の暴発による事故だったと
法廷で主張したのだが、殺人犯の判決が覆ることはなかった。
長い禁固生活が始まり、女優・歌手としての生命は実質的に
絶たれてしまった。のちにSUGAR MEでカムバックを果たし
たものの、この事件はファンの心を曇らせてしまった。何で
もクロディーヌは無罪の側に立った弁護士と秘めやかな結婚
をし、今もそっと隠遁生活をしているとか。

彼女の名誉のためにも音楽的なことを記しておこう。クロデ
ィーヌの甘く囁くような歌い方は、激しいシャウト唱法とは
また別にソフト・ロックやAORの潮流を生み出した。70年代
に登場したリンダ・ルイスやミニー・リパートン、あるいは
80年代に現われたトレイシー・ソーンやエディ・リーダーと
いった女性シンガーのなかに、クロディーヌが蒔いた種を感
じるのは自然なことだろう。そして90年代にはいわゆる渋谷
系の古典として再評価されたことが記憶に新しい。ごく最近
ではバート・バカラック集の新作をリリースしたばかりのル
ーマーにも、クロディーヌの遺伝子が受け継がれているよう
な気がしてならない。それは何かを声高に訴え糾弾するのと
はまた違う音楽のあり方だった。影絵のように伸びては消え
ていく毎日の自分を見つめ直す作業だった。

トミー・リピューマによる知的なプロダクション、弦と管の
超克が見事なニック・デカロのアレンジ、音の一粒一粒を丁
寧に拾っていくブルース・ボトニックのエンジニアリングと、
音響の名人たちがしっかりと脇を固める。クロディーヌはレ
ノン=マッカートニーのHERE, THERE AND EVERYWHERE
でこう歌っている「佳き日々を生きるため/分ち合える恋人が
欲しい/互いの瞳を見つめ信じ合うのよ/今ここで、違う土地
で、あらゆる場所で」


e0199046_13011039.jpg



[PR]

by obinborn | 2017-04-28 13:08 | one day i walk | Comments(0)  

27日は石塚浩子さんの個展を、吉祥寺にて

27日は石塚浩子さんの個展を観に吉祥寺へと。絵心がある方
とは、こんなにも自由で彩り豊かな世界に誘ってくれるのか
と思わず引き込まれた。お話を伺ってみると、会社に勤務さ
れていた頃から描き始め、インドへの旅を経て、今のスタイ
ルに辿り着いたとか。その心温まる暖色のスケッチのなかに
険しい葛藤を思った。彼女が歩んできた平坦ではない道のり
のことを考えてみた。

e0199046_01135795.jpg

[PR]

by obinborn | 2017-04-28 01:15 | one day i walk | Comments(0)  

アカデミズムの妖怪、労働の実感

以前奥田英朗さんの『最悪』を読んだ時、小さな町工場を
経営するオヤジさんの日常が描かれていてとても興味深か
ったです。得意先からの突き上げ、差し迫る納期、無断欠
勤する若い従業員、切実なコスト意識、融資を勧めたかと
と思えば一転して貸し渋る銀行員の豹変...などなど、バブ
ル崩壊以降の零細企業の経営者の生態とはこういうものか
な、と考えさせられました。今盛んに「アルバイトの最低
時給を1500円に!」なる運動が行われていますが、さしず
めこの工場主なら「ご冗談を!」と一笑に付すでしょう。

実体経済をまるで理解していないアカデミズムの論者たち
の昨今の発言が気になります。思い付くままに振り返って
みると内田樹が「これからの日本はもう低成長でいい」論
を唱え、小熊英二は「非正規雇用者の賃金を正社員の倍に
すれば日本の未来は開ける」説をぶち上げました。上野千
鶴子に至っては「ユニクロの服とツタヤのレンタルビデオ
でロウライフを送りなさい」と現在の若者たちを突き放し
ました。彼らは実社会での労働を体験せず、大学で教鞭を
執りながら論壇に登場するだけの狭〜い世界の住人なので、
このような妄想に陥ってしまうのでしょう。

様々な問題点を抱えながらも現内閣の支持率が高止まりな
理由は、恐らく彼らのような左派〜リベラルの識者が空虚
なロジックばかり並べ立てているからでは?と私は密かに
分析しています。入社式で「これから我が社は低成長で行
きます」と新入社員に訓示する社長がいますか?経営者の
全国会議で「非正規雇用者の賃金を正社員の倍にしよう」
と発議する管理職がどこにいますか?厳しい日本の経済を
知らない者たちの戯言に過ぎません。まして上野のロウラ
イフ提唱に至っては何を言わんや?と呆れるばかり。

ありていに言えば彼らは夢を語らない。自分たちはさんざ
ん高度成長〜バブルの恩恵を受けてきたくせに、引退間際
になってロウライフを唱える。もう成長しなくていいと説
教する。彼らのこうした論理を突き詰めると「みんな平等
に貧しく」的な社会主義の世界観と大差ないのでは?と疑
ってしまいます。資本主義であること、自由経済であるこ
との良さ、本来あるべき自由な競争原理を彼らは何故か語
らないのです。

ところで私が暮らしている江古田は、パン屋とラーメン屋
さんの町として近年活況を呈しています。老舗に胡座をか
いていた旧商店がどんどん廃業し、若くやる気のある人た
ちがそれに取って代わるという新陳代謝がうまく行ってい
るんですね。こういう光景は長く同じ町に暮らしている私
にも実に刺激的です。「低成長でいい」というアカデミズ
ムの妄言とは裏腹の現実への覚醒と労働の実感。そして何
よりも自主独立のスピリットがある。私が共感するのはこ
ういう人たちです。

e0199046_06291539.jpg



[PR]

by obinborn | 2017-04-23 06:33 | one day i walk | Comments(0)  

スーマー、ラルフ・モリーナ、そして『泥水は揺れる』

まあ、ポストモダンとかポストロックとか言われても、
自分に一番響くのはクレイジーホースのような質実剛健
な音楽なのです。以前優れたソングライターのスーマー
さんとラルフ・モリーナの”もたりまくる”ドラムは最高
だね!と彼のライブの終演後に語り合ったのですが、そ
の時、ああ、この人はロック音楽の本質をしっかり理解
されているんだなあ〜と、とても嬉しく思いました。

ぼくは音楽の新しさとか「いかに画期的か」というテー
マにあまり興味を持てません。いい時も悪い時も、良い
時代であっても、たとえ悪い時代(今かな?)であって
も、人々の暮らしは慎ましく続いていきます。そうした
日々のなかで「これは違うじゃん!」と思った時には、
その抗議を表明すればいい。もっともらしい標語に違和
を感じた時には、誰にも遠慮せずきちんと告白すればい
い。

スーマーさんの『泥水は揺れる』アルバムが染みます。
彼は「風のなかの女たち」や「もうない船」を何気に歌
っています。ぼくはそこに彼が歩んできた長い道のりを
感じました。まるで影絵のように伸びていく彼の背中を
想像してみました。

e0199046_20380097.jpg

[PR]

by obinborn | 2017-04-15 20:39 | one day i walk | Comments(0)  

思い出の場所はみんなコイン・パーキングになっていくね〜映画『転々』とムーンライダーズ

このまえ和田博己さんとお会いしたことは夢のような体験
でした。旧友のOさんが和田珈琲店時代からの付き合いで
「じゃあ、ぜひ!」ということでセッティングして頂きま
した。オイラにとってはちみつぱいはまさに品川〜京浜地
区の匂いが立ち込める音楽でした。一番有名な「塀の上」
にも羽田から飛び立つ飛行機を町から見上げる主人公の姿
が映し出されているし、続く「土手の向こうに」は大森の
それ(旧競馬場とは逆側)をイメージさせるのでした。

はちみつぱい解散後に鈴木慶一さんが「ソロ・アルバムの
つもりで」作った『火の玉ボーイ』(76年)が、実質的に
ムーンライダーズの誕生物語だったことは広く知られてい
ますが、オイラにとってははちみつぱい『センチメンタル
通り』と『火の玉ボーイ』は地続きのアルバムです。この
頃までの慶一さんはアメリカン・ロックへの愛情を、屈折
した日本語の歌詞とうまく重ね合わせていたと思う。リト
ル・フィート風にシンコペイトする「あの娘のラヴレター」
や、ザ・バンド的な「スカンピン」は、そんなナイーブな
青年の自己告白かもしれません。

「思い出の場所はみんなコイン・パーキングになっていく
ね」そんなセリフが呟かれる映画『転々』(2007年・三木
聡監督)には『火の玉ボーイ』から「スカンピン」と「髭
と口紅とバルコニー」が挿入されています。その映画をた
またま観た時、まるで不意打ちのようにそれらの曲が流れ
出しました。

e0199046_18155212.jpg


[PR]

by obinborn | 2017-04-15 18:16 | one day i walk | Comments(0)  

昨夜のDJ会bonavilleはお陰で大盛況でした!

14日は虎ノ門のthe 3rd cafeにてbonavilleのDJ会でした。
お陰様で100人超え!@-@来てくださった皆様、声を掛け
て頂いたスタッフの方々に感謝します!ありがとうござい
ました!以下私のプレイリストです。

part 1

THE BAND /LIFE IS A CARNIVAL
AMERICA/VENTURA HIGHWAY
MICHAEL MURPHY/COSMIC COWBOY(PART1)
JOHN FOGERTY/GARDEN PARTY
LAURA ALLAN/SLIP AND SLIDE
MICHAEL DINNER/JAMAICA
SAMMY WALKER/BROWN EYED GEORGIA DARLIN'
JESSE WINCHESTER/EVERY WORD YOU SAY
THE FLOATING HOUSE BAND/SONG FOR MARTHA LEE
ROB GALLBRATH/I REMEMBER ME

part 2

THE BYRDS/CHETNUT MARE
THE BYRDS/BUGLER
CSN&Y/CARRY ON
STILLS YOUNG BAND/LONG MAY YOU RUN
NEIL YOUNG/Mr.DISAPPOINTMENT
POCO/A GOOD FELLIN' TO KNOW
HOT TUNA/SEA CHILD
JONI MITCHELL/HELP ME
GUTHRIE THOMAS/ROLLIN' HOME
RAB NOAKES/CLEAR DAY

〜ONE MORE MILES TO GO 〜

BOB DYLAN/MISSISSIPPI


e0199046_18015792.jpg






[PR]

by obinborn | 2017-04-15 18:04 | one day i walk | Comments(0)  

昨夜のDJ会bonavilleはお陰で大盛況でした!

14日は虎ノ門のthe 3rd cafeにてbonavilleのDJ会でした。
お陰様で100人超え!@-@来てくださった皆様、声を掛け
て頂いたスタッフの方々に感謝します!ありがとうござい
ました!以下私のプレイリストです。

part 1

THE BAND /LIFE IS A CARNIVAL
AMERICA/VENTURA HIGHWAY
MICHAEL MURPHY/COSMIC COWBOY(PART1)
JOHN FOGERTY/GARDEN PARTY
LAURA ALLAN/SLIP AND SLIDE
MICHAEL DINNER/JAMAICA
SAMMY WALKER/BROWN EYED GEORGIA DARLIN'
JESSE WINCHESTER/EVERY WORD YOU SAY
THE FLOATING HOUSE BAND/SONG FOR MARTHA LEE
ROB GALLBRATH/I REMEMBER ME

part 2

THE BYRDS/CHETNUT MARE
THE BYRDS/BUGLER
CSN&Y/CARRY ON
STILLS YOUNG BAND/LONG MAY YOU RUN
NEIL YOUNG/Mr.DISAPPOINTMENT
POCO/A GOOD FELLIN' TO KNOW
HOT TUNA/SEA CHILD
JONI MITCHELL/HELP ME
GUTHRIE THOMAS/ROLLIN' HOME
RAB NOAKES/CLEAR DAY

〜ONE MORE MILES TO GO 〜

BOB DYLAN/MISSISSIPPI


e0199046_18015792.jpg






[PR]

by obinborn | 2017-04-15 18:04 | one day i walk | Comments(0)  

追悼:ジェローム・ガイルズ

J.ガイルズことジェローム・ガイルズが亡くなってしまった。
つい先日まで過去のアルバムを何枚も聞き直し、いいバンド
だったなあ〜と、改めて思い出していただけに驚いている。
元々ジェロームはニューヨークの出身で、ダニー・クレイン
とマジック・ディックの3人でアクースティック・ブルース
・バンドを67年頃から組んでいた。そこにボストン出身のピ
ーター・ウルフとステファン・ジョー・ブラッドが加わり、
J.ガイルズ・バンドの母体が出来上がった。さらにボストン
大学に通っていたセス・ジャストマンが加わり、6人編成の
エレクトリック・ブルーズ・バンドに生まれ変わった彼らは、
69年アトランティック・レコードからデビューする。

グループ名に冠されたくらいだから、やはり最初はジェロー
ムが結成したバンドだったと考えていいだろう。ソングライ
ティングが殆どウルフ=ジャストマンのコンビだったことや、
ピーター・ウルフがバンドの顔だったせいか、あまり目立た
ないジェロームだったが、切れ味鋭いカッティングが彼の持
ち味だ。例えば『モンキー・アイランド』の冒頭を飾った「
サレンダー」を聞くだけで、いかに彼が重要な存在かを即理
解出来るだろう。歴代のギター・ヒーローと違ってソロを弾
きまくるタイプではなかったので過小評価されているだけだ。

ぼくが彼らをめぐるエピソードで一番好きなのは、ジューク
・ジョイント・ジミーというペルソナを作り出したことだ。
J.ガイルズ・バンドの初期のアルバムを見て頂ければお解りの
ように、作詞作曲のクレジットやスペシャル・サンクスの欄
にジューク・ジョイント・ジミーの名前を容易に探すことが
出来る。よくファンの間では7人めのメンバーではないか?
とか、ボストン在住の老ブルースマンではないか?とか、あ
るいはストーンズに於けるナンカー=フェルジのような変名
ではないのか?と話題に昇った。そんなことを友だちと話し
合っていた頃が懐かしい。

ジューク・ジョイント・ジミーに関して、ジェローム・ガイ
ルズとマジック・ディックはこう種明かししている「俺たち
の架空のブルース・ヒーローだよ。いつも俺たちを見守って
くれているんだ」そんなロマンティックな神話を携えながら
彼らはキャリアを磨いていった。しかし古巣アトランティッ
クを離れ、78年にEMIアメリカと新たに契約してからはジュ
ーク・ジョイント・ジミーの名を見つけることは出来なくな
ってしまった。奇しくもそのことが彼らの音楽性の変化や青
年期の終焉を物語っているようで切ない。そして今日ジェロ
ーム・ガイルズは一番星になった。彼が天国でジューク・ジョ
イント・ジミーとともに心置きなくセッションすることを願っ
ている。

e0199046_14271146.jpg




[PR]

by obinborn | 2017-04-12 14:28 | rock'n roll | Comments(2)  

昨日は、はちみつぱいの和田博己さんを囲む会でした!

「『MUSIC FROM BIG PINK』はいきなり「怒りの涙〜TEARS
OF RAGE」から始まるよね。だから僕たち、はちみつぱいもあ
の暗い「弊の上で」をA面の一曲めに選んだんだ」「普通は誰も
がデビュー作の一曲めを快活なナンバーでスタートさせる。で
もぼくたちはそうしたルーティンを犯したくなかったんだよ」

そんなお話を惚れ惚れと、和田博己さんから聞かせて頂いた。
というわけで、10日は新宿のライオンビールにて和田さんを
囲む親睦会を。時の流れを感じさせない3時間近くがあっと
いう間に過ぎていった。


e0199046_18321184.jpg


[PR]

by obinborn | 2017-04-11 18:35 | rock'n roll | Comments(0)