12月28日
山崎はアンチ・ヒーローというか社会とまじめに対峙しようと思えば
思うほど規範から外れていくようなアウトローたちを描くのが上手い
今回の『運命の人』も正義感に満ちた新聞記者が沖縄返還の裏で
アメリカと密約された文書をスクープしたことが発端となって当局か
ら逮捕されるというのが 前半の主なあらすじだ
話変わって タワレコとワーナーの合同企画”Tower To The People"
でロックの名盤が求めやすい価格で年末にリリースされている
そのなかの一枚でボニー・レイットの『ストリートライツ』(74年)の
解説原稿を書かせていただいた デヴィッド・スピノザやスティーヴ・
ガッドなどニューヨークのスタジオ・ミュージシャンとともに録音に臨
んだこのアルバム 必ずしも世評は好意的ではなかったように記憶
するが ぼくは好きな作品である
ちょうど時期的にもジェイムズ・テイラーがNYに出向きスピノザらと
『ウォーキング・マン』(ぼくの生活そのもの?!)で新境地を打ち出し
た時期と重なる ライナーではそこら辺の成果と課題についても書い
てみた
そういえば本作にはJTの「レイニー・デイ・マン」が収録されている
この曲をJTのトリビュート ライヴで歌うレイットの姿も印象的で
彼女はこう言いながら歌い始めるのだ
「私はジェイムズの影の部分に惹かれるの」
余談だが レイットの現行CDでは『ギヴ・イット・アップ』(72年)と
『テイキン・マイ・タイム』(73年)のライナーを書いていますので
よろしかったら
本日はアルバム・レビュー用の短評を6枚ほど書いて送信した
一枚のアルバムに対して250字余りの短い文章では 何を書き
何を削ぎ落とすのか あるいは文体のリズムがいかに大事かを
改めて考えさせられる
ちなみに本日は以下の作品について
ザ バンド『南十字星』
ネッド ドヒニー『ファースト』
ライ クーダー『チキン スキン ミュージック』
バッファロー スプリングフィールド『アゲイン』
CSN&Y『4 ウェイ ストリート』
ザ シティ『夢語り』
言わずもがなの傑作ばかりですが だからこそいきなりPCに向
かうのではなく まずは手書きの原稿用紙で書いてみました
by obinborn | 2010-12-29 00:46 | one day i walk | Comments(1)