黙示録として/そしてきみの鳥は歌える
佐野は以前「暗い情感で人々と結びつきたくない」と私の取材時に
答えてくれましたが そんな彼の世界に対する思いや態度がよく表れた
詩だと思います
佐野元春のHPより以下に転載させていただきます
* * *
それを「希望」と名づけよう
佐野元春
街が揺れた夜、君はひとり無断で、
市営プールに潜りこみ、身体を水に浸した
そして暗がりの中、瞑想した
人は時に、光に水に、雨に風に、感謝し、
人は時に、光に水に、雨に風に、屈服する
この闇の向こうに震えるのは
誰か、嘆きの声
同胞の不在は確かに不可解だ
それはそうだ
しかしどうだろう
君は偽善の涙など流さないと誓ってくれ
決まりきったお悔やみなど無用だと言ってくれ
夜が明けて、そこにいつもどおりの太陽が照り、
草木は首をもたげ、
鳥たちは空を往く
あぁ、美しくも残酷なクリシェ!
一方で、
君の身体の細胞ひとつひとつに染みいる光はどうだ
傷だらけではあるが依然雄々しいその筋肉はどうだ
そうさ、君は同胞の不在を気にかけているんだろうが、
たとえば、
偶然にも生き残った君の生を讃えてみてはどうだ?
たとえば、
生き残ったことへの幸運を噛みしめてみてはどうだ?
不謹慎だとわめく偽善者を後に残し
君が光を放つことで、友を弔うんだ
それを「希望」と名づけていいんだよ
余震は続く
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2011年 誕生日に寄せて
佐野元春
by obinborn | 2011-03-13 10:06 | one day i walk | Comments(13)
人々から共感を得ることはけっしてありません
しかし他人の幸せを願ったり他人の不幸を想像出来る者は
人々から尊厳(dignity)を集めます
おそらくそういうことなんだろうな、と思っています
そんな覚悟で物書きするな
繰り返すが
まだ弔いは早い
そんな状況で、自分が自分なりに落ち着きたいがために
自分で勝手に句読点を打つ奴は
糞だ
そしてそれに共感する奴は実はいつも他人行儀なのさ
どうせ消すのだろうが
ガッツがあるならこのままにしておけ
さらば、小尾隆
冷静な対応をお願いします
こんな時に争っていてはいけない
余震はまだあるし
停電の情報に翻弄され
スーパーでは長い列
乾電池も買えない
ガソリンは売り切れ
駅にはシャッターが下りている
今は自分できることをやるだけだ
西川とはちょっとボタンを掛け違えてしまったみたいなんだ
これでもう最後かもしれないし またやり直せるかもしれない
それはぼくには解らないけれど
気持ちをありがとう
まるで自分のファイルに整理するように形にしようとする態度
しかも、なるべく早く発したほうがカッコイイと思っているような
スノッブの匂いもする
俺はそのような言葉も
そのような言葉を善きものとしてそこに慰安とか優しさを感じる人々にも興味も縁もないのさ
だから、さらばだ
消しちゃぁダメだよ