4月23日
雨降るなかを会場に向かう そういえば中村のライヴ演奏に
初めて出掛けた09年の秋も小雨が降っていたことを思い出す
この日は中村と絆も深い安宅浩司のギターを伴う構成で
シンプリティのなかにも2本のギターが微かな広がりを見せた
安宅はオブリにスライドにさりげなく美味しいフレーズを織り込んでいく
「Rail Road Blues」やブラインド・ブレイクの「De De Wah DeDe」などは
とくにこの編成ならではの楽しさを見せる
さらにジミー・ロジャーズのナンバーでは二人のヨーデルが映え
図らずもロジャーズへのトリビュートといった趣きが生まれた
第一部の終盤と二部の序盤と後半は中村のみの弾き語りとなり
こうしたコントラストも小波となり大波となっていく樣が
客席にも伝わっていく
ポール・マッカートニーの「Rocky Lacoon」にしても原曲の輪郭を引き立て
ながらポールにはないブルーズ感覚を押し出すという秀逸な出来
同曲でのとくにエンディング間際の骨っぽい一振りは中村ならではの芯の強さに
触れたような思いがする
このソロ・パートでは彼女の新曲「When The Day Is Over」と
「Light Hearted Train」が聞けたことも嬉しかった
ファンに馴染んできた感じの「Still In The Sun」ともども これらの曲が
スタジオ・レコーディングでどう展開されていくのかも見守っていきたい
アンコールの一曲めはあの伝承歌「私は巡礼」
少ない言葉のなかに多くの含みを持たせるのはカントリ−やブルーズ音楽の
優れた手法のひとつだが “I Am A Pilgrim"という主題が
暗い時期や宛先のない感情を少しずつ温めていった
祈りとは言葉ではなく そういうものだと思う
中村まりと
彼女自身にも恐らく高揚感がずっと残っていたのだろう
ライヴ終了後はすぐ近くのleteで行われていた青山陽一のソロ・ライヴ
へ飛び入りするというスウィート・サプライズも!
あの名曲「Night Owls」を青山のコーラスとともに歌い拍手に包まれた
そして青山は音楽的創意に富んだ「電波組曲」を歌い 客席との
コール&レスポンスによって掌にあるものを鮮やかに証明してゆく
”続く耳鳴りのようなレディオ”
その繰り返しの渦はもう少し聞いていたいと思わせるほどだった
(この写真は青山さんのHPから借用させていただきました)
by obinborn | 2011-04-24 09:46 | 中村まり | Comments(2)