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7月14日

誰にでも経験があることだろうが 英語の歌詞を訳してみて
こんなに鋭いことを歌っていたのかと感嘆する反面
場合によっては「何だあ、普通だな〜」と思ったことがあると思う

若いときのぼくがそうだった
いや 今もときどきそうかもしれない
でもいつか そういう問題ではないと気が付いたのだ

ブルーズのリリックがそうであるように 一見凡庸に映る歌詞にも暗喩が
あり シンプルな言葉の連なりにこそ 年齢とともに染み込む真実がある

それは同じ故郷を子供だったときに見たのと 今見るのとはまるで違うこと
に似ているのかもしれない

テキサス州の自作自演歌手、ブッチ・ハンコックに「once followed by the wind」
という歌がある

ヒアリングもおぼつかないぼくにはこの歌を把握することがまるで出来ない
それはどんなにアメリカの音楽が好きだろうと 英語圏に暮らしていない者
にとっての宿命なのだろうか

この「once followed by the wind」には ワン・ヴァースまるごとハンコックが
口笛を吹く部分がある
枯れた声の彼にしては 意外にも澄んだその口笛は空の青さを映し出すかのようだ

こうして音楽は少しずつ 互いの距離を埋めていくのだろう

そのことに気が付くだけで 今日のぼくは嬉しく 少し晴れやかな気持ちになった

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ジョー・イーライやジミー・ギルモアとの絆も深いハンコックは名曲「west texas waltz」
によって名声を その”ダスト・ボウルな”歌声によって信頼を得た
アメリカーナ・シーンの活況も ハンコックたちの撒いた種があってこそ

by obinborn | 2011-07-14 23:05 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by Almost Prayed at 2011-07-15 19:01 x
検索したらその曲の歌詞がすぐに出てきました。ジョー・イーリーのウェブサイトに掲載されていましたが、彼もこの曲を演奏しているのですね。自分はどちらの版も聴いたことがないのですが。

http://www.ely.com/WheelsofFortune.html

日常、英語を母国語としない環境に生活している限り、どうしたって英語の歌詞をネイティヴの人々と同じような感覚で感じることには限界がありますが、それでも「よそ者」の立場にあって見えてくることもあると思いますし、音楽の真価を深く掘り下げていくことは語学力のレヴェルだけで左右されるものでもないと自分は思っています。歌詞の内容や背景を理解することに努めるのは大事なことですが、例えば一部のボブ・ディランのファンのように、歌詞を曲解して自分の学をひけらかすような行為に陥ることは避けたいものですね。
Commented by obinborn at 2011-07-15 21:25
ありがとうございます こうして文字として見ても極端に短い歌詞である
ことが解りますが それがハンコックの埃っぽい歌に乗ると深みが増す
ところに言葉と音の相乗効果があるのだと思います
一部の”自称”ディラノロジストたちは完全に頭がおかしい(もしくは
社会性のない)連中なので十分お気を付けください

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