8月7日
ヴィンテージなハモンドB3&レズリー・スピーカを常設したこの会場でBM’sを
堪能することは もはや私の年中行事になりつつある
オルガン、ギター、ドラムズという最小限のトリオ編成による隙間のある演奏は
ベースレスという意味でそれなりのリスクがあり ときに綱渡り的な要素も孕むもの
だと思うが それにも増して各楽器の自由度が遙かに上回る
たとえば中原由貴のドラムズはソウル音楽からの影響も大きい16打ちが基盤として
あるのだが 16打ちにありがちな無機質で窮屈なジャスト・タイム感から免れている
のは ひとえに彼女の発想の豊かさで故であり この編成もまたそのドラミングを後押し
するかのよう
青山とは古くからの付き合いである伊藤隆博のハモンドは静と動のコントラストが鮮や
かでため息が出るほどだし 青山がテレキャスから繰り出していくフレーズはハイからロ
ウ・ポジションまでを自在にフロウする 青山のソングライティング同様にメロディの輪郭
やソロ・ラインがけっして下世話にならないところに ぼくは彼の昔から変わらない持ち味
を感じずにはいられない ギターの音色自体もナチュラルな光沢が素晴らしく BM'sの
オーガニックなアンサンブルとしっかり歩調を合わせている
「freedom」 「friday rider」 「地底にgo」 そして今回新たに配信されるという
「夏は喧騒なり」などで三人が綱渡り的に織り成していくグルーヴは本当に奇跡的な
くらいだし 「25時」に代表される行きつ戻りつつの浮遊感がある旋律も こうした編成
のなかで生きてくる
第二部ではエディ・コクランが58年に残したロック古典「summertime blues」を16ビート
でリアレンジして冒頭に持ってくるなど より奔放に演奏は転がっていった
シークレット・ゲストだからといって最後までじらすことなく 二部の序盤に中村まりをステー
ジに呼んだことも BM’sの全体像やライヴでの展開を見渡す場合 大正解だった
ここで歌われたのは中村ファンにはお馴染みの名曲「night owls」だが バンド・アレンジへと
姿を変えたこの曲を今夜聞けたファンは きっと至福の時を過ごしたと思う
(中村まりを囲むBM'sの三人 *この写真は青山さんのblogよりお借りしました)
記憶が定かではないことをお許し頂きたいのだが 確か「just one note」の後半に中原の
奔放なドラムス・ソロが入り そのままブルーズの「have you heard」へと流れていったところ
も最高の場面だった ブルーズブレイカーズ時代のエリック・クラプトンの名演で知られるこ
のナンバーだが ストマン的なコード進行を交えつつ 青山がECのタイム感を忠実に再現
するところに リスペクトの感情が限りなく溢れ出していった
終演後 ナカハラさんに「オビさんがノっていたのが見えましたよ〜」と言われ
思わず顔を赤らめる私でした^0^
by obinborn | 2011-08-07 22:22 | 青山陽一theBM's | Comments(4)
素晴らしいライブでした。青山さんのパフォーマンスはいつも素晴らしいけど、何人かの方が言うように、この沼袋OrganJazz倶楽部でBM'Sを聴くことはやはり特別な体験のような気がしてしまいます。冷えた店内でそれほど熱い演奏でした。早くも次が楽しみです。
伊藤さんが弾くハモンドB3もウネリまくっていましたし 音の全体の
バランスも非常に良くって BM'sがこの箱で幾つかのライヴ・レコーデ
ィングを行った理由も判るような気がします
ところで開演まえにカウンターで飲み物を注文していたら 背中越しに
「オビさんですか?」と声を掛けられました 振り返ってみると何とそれが
中村まりさんでした! 嬉しかったなあ〜^0^
ぼくのメアドは先日差し上げたコメントに付記したのですが それが
判らない場合は田中クニオちゃんがぼくのアドレスを知っていますので
お手数ですが 彼に一度メールしてみて頂けないでしょうか
ご用件は弊logで公開するインタビュー取材です ムーさんにもぜひ
お話しを伺いたいと思っています
ではでは また〜^0^