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6月25日

知久寿焼と東京ローカル・ホンクのツーマンを吉祥寺のパインズにて。

絶え間ない出演オファーがあっても、ここのところ意図してライヴの
日程をスロー・ダウンさせているホンクだが、実際、先週行われたイヴェント
を除けば3月以来のライヴとなる。3月公演はレコ発ツアーのファイナルとして
壮大な音楽絵巻を描いたのが記憶に新しいところだが、今日のようにコンサバな
彼らも勿論素晴らしい。

「お手紙」で始まり「目と手」へと連なっていく序盤といい、中盤の胆となる
「昼休み」といい、そして勿論「社会のワレメちゃん」から「カミナリ」に雪崩
込んでいく終盤のジャム演奏まで、短めのセットながら起承転結は明確であり、
会場の多くを埋めた知久のファンたちも、きっとホンクの世界に引き込まれた
ことだろう。

実際、毎回ダブの手法が冴え渡る「昼休み」にしても、今日はイントロのリム・
ショットからエコーをかけまくるというエンジニア担当の伊藤”ハルク”の音響への
思いが冴え渡り、長尺インプロヴィゼーション曲「カミナリ」では
井上文貴が今までになかった新しいフレーズを織り込むなど、息を呑まずにはいられ
ない瞬間が幾度も幾度も訪れた。

平易な言葉がもたらす膨らみ。それをホンクの4人は音として鮮やかにスケッチしてゆく。
ギター×2、ベース、ドラムスという何の変哲もない編成で、彼らはそれを成し遂げるの
だった。そして木下弦二は抑制されたMC(註)にさえ、彼が辿ってきた道のりや逡巡を
染み込ませていく。

受け止めたものをそのままにしたくて、私は早めに会場を後にした。

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註:「地元の個人商店が大型チェーンに取って代わるのは寂しいが、そう感じる自分も
実際はチェーン店も利用している」そんなMCもあった。つまり人間は矛盾した存在だと
いうこと。

by obinborn | 2012-06-26 00:31 | one day i walk | Comments(0)  

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