フレディとミッキー。
「えっ、こんなに良かったっけ!」とびっくりするくら
いだった。哀愁味溢れるあのヴォーカルだけで気持ちは
すっかり国境の南〜south of the border〜へと(笑)
バーバラ・リン「You'll Lose A Good Thing」やクッキ
ー&ザ・カップケイクス「Mathilda」、SDQの全国区的
ヒット「The Rains Came」などの選曲が何ともガルフ・
コーストに生きるフェンダーの持ち味をあますところな
く伝えるのだが、その最たるものがトミー・マックレー
ンのバラード「I Need You So」かもしれない。今回聞き
直して一番染みたのが、この曲だった。歌唱や曲の良さは
勿論のこと、後方で何気に響くオルガンのロングトーンや
エレクトリック・ギターの甘い音色もいい。フェンダーは
この曲で思い入れたっぷりに語りまで交えるほど。
一方でジミー・リード「Big Boss Man」やアイヴォリー
・ジョー・ハンター「Since I Met You Baby」などのブル
ーズ・ナンバーもいい塩梅に配されるし、お茶目なレゲエ
「Just Out Of Reach」には思わず頬が緩む。ストーンズ
が「Cherry Oh Babe」をカヴァーしたのは75年だったな
あ〜、などと想像を広げていくのも悪くないだろう。
筆者が最も驚いたのは、かのミッキー・ムーディが全編
でギターを弾いていたこと。ブリティッシュ・ロックに
詳しい方なら、ミッキーがかの英国スワンプ集団である
ジューシー・ルーシーに後期から参加し、その後デヴィ
ッド・カヴァーデイル率いるホワイトスネイクで名声を
勝ち得たことは先刻ご存知のことだろう。以前からアメ
リカに憧れながら彼の地で意外なレコーディング・セッ
ションを行っていた彼の姿はかろうじて知っていたけれ
ど、まさかフレディ・フェンダーまでに関わっていたと
は!
こんなことを発見するだけでも、聞き直しは楽しいなあ。
当時解らなかったこと、気が付かなかったことを今にし
て知ることもそうだし、だいいち日々が新しく更新され
ていくのであれば、自分でも忘れていたような音楽があ
る日突然輝き出すこともあるだろう。ぼくの些細な日常
も願わくはそのようなものであってほしい。
以上、牛ジャケにハズレなし!(笑)
by obinborn | 2012-11-18 13:11 | one day i walk | Comments(2)
ホワイトスネイクのミッキー・ムーディーは、Micky Moody.
こちらのミッキーは、Hey Meauxの70年代の片腕でアーカンソー州生まれ、当時のシュガーヒル・スタジオのエンジニア、A&Rマン、かつスライド・ギター、ペダル・スチール・ギターなどのマルチ・プレイヤー、Uncle Mickey Moody(kとyのあいだに"e"あり)だと思います。
Freddy Fenderだけでなく、同時期のMeauxのプロデュース作に多数関わっている人だと思います。