J.J.ケイルが大いなる眠りへと
J.J.ケイル氏が、心不全のため26日の午後8時カリフォ
ルニア州の病院で息を引き取りました。享年74歳。
オクラホマ州タルサ出身の彼は同郷のレオン・ラッセル
に見出され、70年にシェルター・レーベルと契約。朴訥
とした歌とギターでじわじわと人気を集め、エリック・
クラプトンはJ.Jの「After Midnight」や「Cocaine」を
取り上げるほどでした。他にも「Cajun Moon」や「Sen
sitive Kind」「Magnoria」など心に染み入る曲をたくさ
ん残しました。
J.Jがこれまで残してきたアルバムは膨大な数に及びますが、
新作と接するたびに思ったのは「ああ、いつもの彼がいる」
という当たり前であるが故に重い真実でした。キャリア
の途中で意匠を変えたり流行の音にすり寄る人たちもいま
すが、J.Jの場合は見事なまでに初志貫徹でした。そのこと
の難しさは現実へと立ち返るほど思い知らされたりします
が、彼は遂にそれを最後まで成し遂げたのです。それも何
気なく、誰にも騒がれないひっそりとした場所で。
オクラホマからやってきたひどく内気な男。「オレが逝っ
たくらい大したことじゃないぜ」そんな風にしてまたギタ
ーを抱え呟き始めるJ.Jの姿が今にも立ち現れてくるようで
す。まるで漆黒の闇に溶けていくような歌とギター。私は
生涯を通してJ.Jのこと、その佇まいのことを忘れないでし
ょう。今までありがとうございました。安らかな眠りに着
いてください。
by obinborn | 2013-07-28 03:28 | blues with me | Comments(0)