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28日のあまのじゃく

28日はジョン・クリアリーのニューオーリンズ・ピアノを浅草
のHUBで楽しんだ後、池袋のフリーフロウ・ランチに戻り、あ
まのじゃくのギグを初めて体験させて頂いた。アコースティッ
ク・ギター、ウッドベース、マンドリン、リゾネイターという
ブルーグラスの編成で彼らが演奏するのはオリジナルに加えて
ニュー・ライダーズ・オブ・パープル・セイジやグレイトフル・           デッドの数々。そのどれもが歌の詩情をこちら側にたぐり寄せ            ながら慈しんでいる様子が伝わってきて気持ち良かった。手練            手管の器楽演奏としてのブルーグラスとはまったく異なる音楽            のあり方だ。例えばデッドのナンバーは長尺インプロに真価を            発揮するけれど、あまのじゃくもまた比較的長めの演奏を自在
に、ゆったりじわじわと漂わせていくという感じ。そんな時間            を彼らと共有出来たことが、もう嬉しくて。

終演後北條さんに伺ったところ、最初はやはりロック・バンド
から始まったという。それがやがてデッドへと辿り着き、自然
とブルーグラスとも触れ合うようになる。そうした過程のなか
であまのじゃくが生まれたのだとすれば、ぼくは彼らの意識や
連綿と繋がっていく音楽という名の大河に感謝せずにはいられ
ない。

China Cat FlowerがいつしかI Know You Riderへと重なってい
く。Rippleがそれこそさざ波のように奏でられれば、アンコー
ルではFreiend Of The Devilをじっくりと聞かせる。池袋での
一晩を通して長距離列車に揺られながら、線路に響く汽笛の音
に耳を澄ませながら、大いなる土地を一人横断しているような
気持ちだ。その伴侶がまさにあまのじゃくの初々しくケレン味
のない演奏にあった。

*写真は北條夫妻と筆者

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by obinborn | 2013-09-29 01:08 | one day i walk | Comments(0)  

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