35年めの新作『Blood Moon』に花束を
佐野元春が若いザ・コヨーテ・バンドを携えて録音
に取り組んだアルバムとしては三作めとなるもので
すが、今回はとくに世相を反映した社会性の強い作
品が並んでいます。しかしながら具体的に特定の誰
かを糾弾したり、こちらに正義があると言わんばか
りの旗を振りかざすのではなく、確かな演奏力と豊
かな音楽性を伴いながら、考えさせる点がもう圧倒
的に佐野さんらしい。音楽を通したメッセージとい
うのは、原発事故でも大震災でも不穏な世界情勢にし
ても”先に言ったもの勝ち”じゃ全然ダメで、これか
ら5年10年経った時でも歌としての精度があるか否
かが問われるもの。そこら辺を佐野さんはソングライ
ターとして、やはりしっかり考えてらっしゃる。そん
なことを感じました。シニシズムに抗う言葉をもっと。
枯れた土地に降らせる雨をもっと。乾いてしまった心
に届く花束をもっと。
by obinborn | 2015-07-22 12:31 | one day i walk | Comments(4)
昼間はリツイートありがとうございました。
同感です。
首尾一貫してその姿で、作品作りを続けていますね、元春は。
個人的にはちょっと気になる言葉遣いはあるものの、特に今作品は「ビートに乗せる」という部分が強調されているように思います。
まったく、まだまだ進化を続けるコヨーテたち(含む元春)、目が離せません。
なお拙文が近日中にMWSにアップされる予定なので、お時間があればご覧になってみてください。
パート2も楽しみにしています。