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語る言葉

FBを何年もやっていると、どういうテキストを書けば誰
に受けるのかとか、こういう記事を挙げればあまり反応
がないだろうな、といったことが判ってくる。しかしツ
イでもFBでも他人の目線ばかり意識したらオシマイで、
やはり自分が日々思っていることをなるべく率直に書く
のが一番いいのだろう。前掲した佐野さんファンの文章
にはハッとさせられた。ことに政治状況が緊迫している
昨今では、左派でも右派でも相手を罵る言葉しか持って
いないのでは?と思わせる文章が目立ち、自分に立ち返
って問題を考える視点に乏しいからだ。例えば安倍氏や
百田氏の言動にはかなり問題があるだろうが、理論武装
せずただ「安倍死神」というプラカードを掲げて悦に浸
ったり、百田の小説など読むものかと読書以前に否定し
てしまう態度には首をかしげてしまう。私が以前ここで
『永遠の0』を擁護したのも、人格と作品は切り離して
フェアに接したいという願いからだった。ところが現実
は私が『永遠の0』を庇うと「お前は右翼か!」と単純
に記号化されるのがオチで、私はこういう人達と闘って
きたんだなあと実感させられる。大抵ありがちな傾向と
しては自分の考えに近いテキストをシェアして納得する
というお決まりのパターンであり、それだけでは批評精
神など養われなくなってしまう。昨日の朝刊に掲載され
た作家・赤坂真理さんのインタビューは鮮烈だった。彼
女の発言を読んでいると、現行憲法と日米安保条約との
間で葛藤する姿がしっかり伝わってくる。射程の長い言
葉を大事にしたい、それは白黒付けることを急ぐ現在の
風潮にあがらうことなのだ、と彼女は言う。そして赤坂
さんは「スローガンを掲げる集団を信じない」と言う。
看板としての民主主義に警告を発し、自分で考えるとい
う個人主義に立ち返る。個人主義とは自分勝手という意
味ではない。それは運動が退潮してたった一人になった
としても自分の言葉を持っているかという問いであり、
長いものには巻かれまいとする個の魂なのである。

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by obinborn | 2015-07-24 20:13 | 文学 | Comments(0)  

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