11月17日の佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド

17日は佐野元春&ザ・コヨーテ・バンドを横浜のランド
マーク・ホールにて。10月から始まった彼らの『禅ビー
ト・ツアー』はいよいよ終盤を迎えた訳だが、予想以上
にソリッドで引き締まった演奏が圧倒的だった。佐野は
MCでコヨーテ・バンドとの連携が13年目に入ったこと
を繰り返した。そこに優れたソングライターでありなが
ら、ソロ・アーティストという方向性ではなく、常にバ
ンドとともに歩んできた彼の矜持が感じられた。実際コ
ヨーテ・バンドの成長ぶりは目覚ましく、高揚感あるメ
ロディが剥き出しのギター・ロックで叩きつけられる様
は、一瞬アメリカの荒ぶるオルタナティブ・ロックを聴
いている錯覚に陥るほどだった。選曲にしてもファン・
サービスの終盤を除けば、コヨーテ・バンドを率いてか
らのナンバーばかりを束ねていく徹底ぶりが清々しく、
多くの80年代組がノスタルジア・サーキットに陥ってい
るなかで一際異彩を放っていた。しかも決して希望を失
うまいとする佐野の世界観は健在であり、かつて言って
いた「暗い情感で人々と繋がるのが僕はイヤなんです」
という言葉を無言のうちに裏付けていた。そう、まさに
それこそが佐野元春が長い歳月に亘って実践してきたも
のだった。21世紀という荒れ地は僕らの目を疑わせ耳を
塞がせるばかりだが、それでも彼は明日も花束を抱えな
がら歌っていくことだろう。そんなことを思わずにはい
られない夜だった。


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by obinborn | 2018-11-17 22:02 | rock'n roll | Comments(0)  

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