コロナ禍と佐野元春とエンターテイメント
まずはコロナ禍でコンサートをやり遂げた佐野元春に感謝したい。先週末の武道館公演が無事終わった今、安堵とともにそんな喜びを噛み締めている。彼ほどの大物であれば集団感染というリスクを回避するために、山下達郎や竹内まりやが取った中止や延期という選択肢もあっただろう。この状況下ではそちらの考えのほうがどちらかといえばクレヴァーな大人の対応として映る。まして3月13日の東京はまだ非常事態宣言の只中だった。しかし、そんな自粛ムードに流されることなく佐野は決断したのだ。無論関係者の間では様々な意見が交わされたことだろうが、最終的な判断を彼は恐らく自分自身の意志によって決めたに違いない。ここら辺は反抗のポーズを取りつつも体制に順応するばかりの自称ロッカーとは大違いだ。また最高のライブ環境を作るべく終始協力したオーディエンスのマナーも讃えたい。今回の公演実施は現在の閉塞したエンタメ界に風穴を開けるきっかけになっただろうか?それはまだ誰にも解らない。きっと時間が経ってから見えてくるものがある。そう、その時になって初めてあの日ステージに立った佐野元春の行動力が理解されるのかもしれない。
by obinborn
| 2021-03-20 04:35
| rock'n roll
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