光り輝いていた季節〜ヤング・ラスカルズ

悠々自適な老後を思い描いていた。でも病によってそんな設計図は大きく狂ってしまった。人生うまくいかないね。でも逆に言えば、残された時間を意識することで毎日がより愛おしく感じられるようになった。こればかりは癌を告げられた者にしか解らない感覚だろう。

明日の入院前に『groovin'』を買った。前回入院した昨年の6月にも同じLPを買ったから、僕にとってヤング・ラスカルズはおまじないみたいな存在かもしれない。ご存じの通り『groovin'』は彼らがグループ名からyoungを外す前の最後のアルバムであり、音楽的にも快活さと成熟との分岐点に立っている。そして今の僕はひょっとしてこの作品の若さや光り輝いていた季節に嫉妬しているのかもしれない。