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追悼:バート・バカラック

デヴィッド=バカラックのコンビで反射的に思い出すのが、カーペンターズ「クロス・トゥ・ユー」やB.J.トーマス「雨に濡れても」あるいはジャッキー・デシャノン「世界は愛を待っている」といった楽曲だ。気品のあるメロディは当時中学生だった私に大人の世界を垣間見させた。復帰後のバカラックが作曲したものでは、クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」が比較的新しいところだろうか。
エルヴィス・コステロとのコラボレートもあったが、基本的にバカラックは最後まで"非ロック"の人であり、それは同じ職業作家としてキャリアをスタートさせながらも、キャロル・キングがロックの世界に踏み込んでいったのと好対照を為したと思う。サウンドデザインもスモール・コンボではなく、あくまでオーケストレーションを念頭に置いていたようだ。バカラックの優雅さとはそういう旧世代の価値観を反映したものでもあるだろう。
これだけメロディが枯渇してしまった昨今の音楽シーンに故人が何を考えていたのかは知る術もないが、忘れ難い名曲の数々を今までありがとうございました。

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by obinborn | 2023-02-10 09:14 | one day i walk | Comments(0)  

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