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リヴォン・ヘルム「もし自由を感じられたらどんなにいいことだろう」

6年前の今頃、再来日したデヴィッド・ブロムバーグはステージ
からこう呼び掛けた「リヴォンが亡くなったらしい...」と。そん
な断片をまるで昨日のことのように思い出している。そう、今日
はリヴォン・ヘルムの命日だった。彼にとって最後のスタジオ・
アルバムとなってしまった『ELECTRIC DIRT』(Vanguard 09
年)を聞いている。一曲めがガルシア=ハンター作のTennessee
Jedだったことが面白い。というのもリヴォンは最初デッドのよう
なヒッピー・ロックを毛嫌いしていたから。そんな彼はこう打ち
明けている「何だ、音楽の根っ子は俺らザ・バンドと一緒だったん
だね」と。そんなエピソードを反芻しながら、Tennessee Jed
が鳴り出し、以下ステイプル・シンガーズ、ハッピー&アーティ・
トラウム、マディ・ウォーターズ、カーター・ファミリー、ランデ
ィ・ニューマンと連なっていくカバー曲が、計らずともリヴォンの
広範な音楽地図を物語っていく。アルバムの最後に置かれたのは、
ニーナ・シモンの名唱で知られるI Wish I Knew How It Would
Feel To Be Freeだ。かつては公民権運動を背景にして歌われた
「もし私が自由を感じることが出来たらどんなに素敵かしら」と
いう歌詞が、時と場所を変えて、リヴォンの白鳥の歌になった。

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by obinborn | 2018-04-19 17:09 | one day i walk | Comments(0)  

4月8日の東京ローカル・ホンク

どんなに勇ましい言葉よりも、遥かに染み渡る音がある。それら
がまるで木霊のように広がっていきました。ホンク、いつもあり
がとう!


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by obinborn | 2018-04-09 01:05 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

サーディンヘッドの鰯釣りに行ってきました!

大きく真っ白なキャンバスがあって、そこに自由な絵を描いて
いく。一筆書きのような大胆な線があるかと思えば、水彩画の
ような繊細さに満ちたラインもある。そんなロック・カルテッ
ト、サーディンヘッドのライブを6日は下北沢のラウンにて。
そこにはブルーズの解体があり、ファンクの応用があり、とき
にジャズ・イディオムに向き合うフリーなインプロヴィゼーシ
ョンの応酬がある。緻密であると同時に自由奔放なサーディン
の”鰯釣り”はこの夜も実にフレッシュだった。

「鍵盤奏者がいない分、僕たちは和声に関して自由になれるの
かもしれません」一部と二部との間の休憩時間にベース奏者の
湯浅さんはそんなことを語ってくださった。僕は楽器を弾けな
いので音楽理論に関することはよく解らないけれども、彼が言
わんとすることが、壮大でイマジネイティブな音の束となって
降り注ぐ得難い夜になった。サーディン!君たちは何てイカし
ているのだろう!

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by obinborn | 2018-04-07 06:06 | one day i walk | Comments(0)  

佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド、『Maniju』ツアー最終日に寄せて

瑞々しい情感に満ちた新作『Maniju』を携えた佐野元春&ザ
・コヨーテ・バンドのツアー最終日を1日は東京ドーム・シテ
ィ・ホールにて。コヨーテ・バンドの剥き出しのギター・ロ
ックは若々しく、佐野が過去率いてきたザ・ハートランドや
ホーボー・キング・バンドに比べると荒削りであり、ときに
アメリカのオルタナティヴ・ロックを彷彿させるほどだが、
そのザラついたサウンドスケープのなか、メロディの輪郭が
しっかり浮かび上がり次第に高揚していく様が、もう圧倒的
に彼らしい。

歌詞カードを読む限りでは一見ありきたりな言葉たち。それ
が確かなバンド・サウンドを伴いながら立体的になっていく。
もしロック音楽に最大の武器があるとすれば、まさに佐野元
春は37年間に亘ってそれを実践してきた。しかも彼の場合は
とかく内輪向きになりがちな趣味の世界を善とせず、私たち
が普段見ている街の景色や人々の群像を鮮やかな絵の具で塗
り換えてみせた。たとえ困難な時代であっても、標語やプラ
カードを掲げるのではなく、もっと幾多にも広がっていく想
いを大事にしてきた。

幾多の気持ちが渦巻く春の帰り道、私は道端の名もない若葉
にふと足を止めてみた。


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by obinborn | 2018-04-01 23:30 | rock'n roll | Comments(0)