『ソウルボーイへの伝言』が今月29日に発売されます
もしよろしければ 聞いてみてください
ライナーノーツは ぼくが書かせていただきました
ことさら大上段に空疎なメッセージを掲げるのではなく
佐野はある種の切迫感とともに歌の主人公たちに生命
を与えていった 一見平易な言葉の連なりが 激しく叩
き付けるようなビートに導かれて突然キラキラと輝き始
める ロック音楽が生み出すそんな虹のような時間の共有
こそが 佐野元春を体験するということに他ならなかった
佐野元春が歩んできた30年は 砂漠のなかに眠ってい
る水脈を掘り起こしていくような作業の連続だった
もっともらしい絶望よりは手のひらに残っているはずの
希望を見つめ 選び取りながら たとえ一人暗く深い井戸
に落ちてしまいそうなときにも”君”とのつながりを強い
気持ちで求めながら 彼の音楽はいつもそんな強固な
意志を秘めている 佐野元春はきっとこれからも昨日
のように今日のようにそして明日のように歌っていくこ
とだろう
小尾 隆 (ライナーノーツより抜粋)
# by obinborn | 2010-09-17 20:19 | rock'n roll | Comments(4)